近年、日本のワイナリーのラインナップで見かけることが増えてきた品種のひとつであるプティ・マンサン。フランス南西部が生まれ故郷の白ワイン用ぶどう品種で、まだまだ一般的に認知度が高くない品種だといえます。2025年の中伊豆で育ったプティ・マンサンは「充実」という言葉がぴったり来る仕上がりになりました。ぜひその実力を体験してください。


白ワイン用の注目品種の、未知なる可能性を感じよう

認知度の低いぶどう品種とは言うものの、もしプティ・マンサンという名前を知っていたら、かなりの日本ワイン好きの方ではないでしょうか。

果皮が厚く小粒で、雨による病気に強いため、日本の気候風土に合っていることから、徐々に栽培するワイナリーが増えてきている品種です。

一方で、出来上がったワインは酸が強く個性がはっきりしないと感じる方も多く、どのように醸造すればその個性を活かせるか、まだまだ手探りの部分が多い品種でもあります。

中伊豆ワイナリーでは2021年のヴィンテージからワインを醸造していますが、試飲をした方からアンケートを取り、低温で発酵を行ったり、香りが出やすい酵母を使用するなど、さまざまな試みをしています。

販売できるワインの量も徐々に増え、2025年は1413本を造ることができました。

2025年は記録的な晴天続きで非常に良い状態のぶどうが収穫でき、そのぶどうを使ったワインははっきりとした輪郭と豊かな香りを持つものになりました。

味わいもリッチに仕上がっています。

きっと「プティ・マンサンってこんなワインになるんだ!」と、このぶどうの可能性を体感していただけると思います。

そして、充実感のあるワインは、合わせる料理を考えるのもワクワクして楽しいものです。

きゅっと冷やした伊豆プティ・マンサン 2025を飲みながら、どんな料理と合わせようか、想像をめぐらせる心弾むひとときをぜひお楽しみください。


2025年のぶどうの生育について

2025年の春は暖かく、生育は順調に進み、5月は曇天や雨量が多かったため、萌芽や開花は例年より4~5日遅く始まりました。

6月の梅雨入りは平年より3日ほど早く、梅雨入り前後に雨が振ったものの空梅雨で、雨がほとんど降らなかったこともあり、ベト病などの被害はありませんでした。

梅雨明けも7月4日と、平年より15日も早くなりました。そして、7月は記録的に晴天が続き、日照時間は平年の1.6倍にも登ったため、生育は極めて順調に進みました。

9月中旬まで晴天が続き、多照傾向が維持されたこともあり、晩腐病の病害は見られませんでした。

また、全期間において夜間の冷え込みが平年より厳しく、昼夜の気温差が極端に大きかったため、酸度の低下が抑制されました。


2025年のワイン造りについて

ぶどうを収穫後、除梗を行わずにホールバンチプレスで搾汁を行い、その後、低温で澱下げを一晩行いました。

澱引きを行った後、酵母を添加して低温でゆっくりと発酵を行っています。

酵母は、柑橘類やフローラルなど、テルペン系の香りや、パッションフルーツやグレープフルーツなどのチオール系の香りがふんだんに現れ、クリスピーでフレッシュな果実のニュアンスがあるワインになるものを用いています。

ぶどうの糖度と酸度が非常に高かったため、補糖や補酸は行っていません。発酵終了後は粗目のろ過を行い、瓶詰めしています。


伊豆プティ・マンサン 2025 テイスティングノート

淡いトパーズ色に輝くワインは、ディスクが厚く、しっかりとエキス分を含んでいるため、粘性が非常に高いです。

ゆずやかぼすといった和柑橘に加え、熟したグレープフルーツやマンダリンオレンジなどの柑橘類の奥にハーブの香りが感じられ、濃厚なはちみつの風味が広がります。

辛口のワインですが、口当たりはやわらかく、酸味のカプセルに閉じ込められたような、重厚感のある甘みが口いっぱいに広がり、程よい酸味の余韻が感じられます。

アルコール分が15%と高いため、アルコール由来の苦みが感じられますが、かりんなどの黄色い果物の濃密な余韻が長く続き、充実感のある飲み応えを感じられます。

料理を合わせるなら、穴子やシロギスなどの白身魚の天ぷらや、シーフードを使ったゼリー寄せなどのオードブル、フォアグラの軽いムース、甲殻類を使ったクリーム系パスタやグラタンなど、幅広い料理にマッチします。

マリアージュをいろいろ想像するワクワク感をぜひお楽しみください。


伊豆プティ・マンサン 2025 概要

製品名:伊豆プティ・マンサン 2025

製造本数:1413本

ぶどう品種:プティ・マンサン100%

ぶどう産地:静岡県伊豆市 中伊豆志太農場産100%

アルコール分:15%