さまざまなテクノロジーが発展し、人々の暮らしが便利になっていくように、醸造技術や栽培技術も同様に、日進月歩していくものです。中伊豆ワイナリーでは常に新しい技術や流行などを必要に応じて取り入れ、中伊豆ならではの個性を表現するワイン造りを目指しています。白ワインのフラッグシップでもある伊豆シャルドネ 2022 プレミアムは、ワイナリーの進んできた道や現在地を感じられるワインに仕上がっています。ぜひこの機会にご賞味ください。
エレガントなワインを生み出す「パンチョン樽」
毎日の暮らしに関する科学技術が進歩するように、ワイン造りに関する技術も日々進歩しています。
新しい機械が作られたり、醸造に関する化学的な論文が発表されたりしていますが、その一方で、昔使われていた醸造器具などを見直して新たに使う動きもあり、それがワイン造りの流行につながることもあります。
中伊豆ワイナリーでは、そうした最新の技術を取り入れることを、中伊豆の風土を映し出すワイン造りの一助としています。そのひとつともいえるのが「パンチョン樽」の使用です。
パンチョン樽は500リットルほどの大きな樽で、ウイスキーの熟成などに使われることで知られる樽です。一般的に、ワインの熟成に使う樽はバリック樽という小さなもので、容量は230リットルほど。
容量が小さい分、樽熟成による樽の風味がワインへと付与されるスピードが速くなるため、何年もかけなくても十分な樽の風味が楽しめるワインになることから、バリック樽は現在多くのワイナリーで使用され、主流となっています。
一方、パンチョン樽は倍以上の大きさがあり、かつてはワインの発酵や熟成に使われていましたが、熟成に時間がかかることから、使われることが少なくなっていました。
それが近年、有名なフランスのシャトーなどが大樽を使ってワインを造るようになった影響で、パンチョン樽も見直されるようになりました。
パンチョン樽の良い点は、バリック樽と比較すると、中に入れたワインと樽の接触面積が少ないため、樽由来の成分からくる風味のつきかたがやわらかく、風味がつくスピードも緩やかになる点です。
そのため、ぶどう本来の味わいや香りと、樽由来の風味とのバランスがとりやすく、樽からワインを出すタイミングを見計らいやすいというメリットがあります。
中伊豆ワイナリーでは、上品な風味が生まれることで知られるフレンチオークでできたパンチョン樽を使用して、伊豆シャルドネ・プレミアムを醸造しています。
樽由来の風味を決定づける焼き具合はライトトーストにしているため、やさしい風味が生まれます。
伊豆シャルドネ 2022 プレミアムは、発酵の初期段階でパンチョン樽にワインを移して樽発酵を行い、そのまま8か月樽熟成を行いました。
熟成がゆっくりと進むパンチョン樽ならではの、エレガントでやわらかく、バランスの取れたやさしい風味のワインに仕上がっています。
中伊豆ワイナリーの「いま」をぜひご賞味ください。
2022年のぶどうの生育について
2022年は春の気温が高く、比較的雨の多い年でした。そのためぶどうの樹の動き出しも早くなり、雨が多かったため、一部のぶどうには黒痘病が発生しました。
一方で、6~7月の梅雨の時期は雨天の日が少なく、雨量も少ない状況となりました。
8~9月、ぶどうが熟す時期にはまた雨の日が増え、雨量はやや多めになりましたが、ぶどうは順調に生育しました。
2022年のワイン造りについて
ぶどうは収穫後除梗を行い、破砕せずに粒のままプレスを行いました。ワイン用の酵母を添加し、タンクで発酵を開始して補糖を行い、2022年のぶどうは酸が少なかったため、補酸も行っています。
発酵の初期段階で容量が500リットルほどある「パンチョン樽」に入れ、樽内発酵を行い、発酵後はその樽に入れた状態で約8ヶ月間熟成。
澱引きを兼ねて樽出しし、濾過をして瓶詰めしました。
テイスティングノート
輝くレモンイエローのワインは、心地よい樽の香りと、ライムやかぼすのような青い柑橘類の爽やかなアロマに加え、パイナップルなどのトロピカルフルーツや白い花の香りを追いかけるように、かりんやナッツのブーケが漂います。
果実の甘みが感じられる、ふくよかでクリーミーな口当たりでありながら、酸の切れが良くすっきりとした味わいが楽しめるワインです。
スモークサーモンを使った前菜や、バターをたっぷり使ったムニエルやソテー、クリームソースのパスタや鶏肉のフリカッセ、エビグラタンなどと好相性です。
伊豆シャルドネ 2022 プレミアム 概要
製品名 伊豆シャルドネ 2022 プレミアム
生産本数 1009本
ぶどう品種 シャルドネ100%
瓶詰め日 2023年5月15日
ぶどう産地 静岡県伊豆市 中伊豆志太農場産100%
アルコール分 12.5%