日本でもさまざまな地域で栽培され、ワイナリーごとにいろいろな顔を見せてくれるメルローは、豊かな果実味と親しみやすいまろやかな味わいが魅力のぶどう品種です。デイリーに楽しむのにも良いワインが多いメルローですが、少し贅沢に造ったのが「伊豆メルロー2022」です。ちょっといいことがあった日の食卓にぜひどうぞ。

 

特別な日ではないけれど、ちょっぴり贅沢をしたい日に飲みたいワイン

日本ワインの赤ワイン品種の中で、マスカット・ベーリーAに次いで生産量が多いのがメルローです。メルローはフランス・ボルドー地方が原産のぶどうで、ボルドーではカベルネ・ソーヴィニヨンの良きパートナーとして使用されている品種です。日本のように雨が多い土地でも比較的栽培しやすく、生まれる赤ワインは果実の豊かな香りとまろやかさが感じられます。そのため、やわらかで飲みやすいと感じる人が多い品種でもあります。

日本ではさまざまな地域でメルローが育てられていますが、デイリーな価格帯の親しみやすいものから高級なものまでその幅も広いのが特徴です。料理にも合わせやすいのがいいところで、肉じゃがやハンバーグなどのおかずからステーキやビーフシチューのようなごちそうまでカバーできるのも、多くの人から選ばれる理由かもしれません。そんな人懐っこい印象のあるメルローを、ちょっと贅沢に造ったのが「伊豆メルロー2022」です。

例年よりも糖度が乗り、酸度のバランスも良かった2022年のメルローの中でも、色の濃いものを使用し、いろいろな工夫をしてワインを造りました。出来上がったワインは黒い果実の香りが豊かで、きめ細やかなタンニンが程よい渋みを与えるものになりました。ちょっといいことがあった日に、ごちそうを用意して飲みたくなるような、少し贅沢なメルローをぜひご賞味ください。

 

2022年のぶどうの生育について

2022年は春の気温が比較的高く、ぶどうの樹が休眠から目覚める時期が例年より早くなりました。雨が多く黒痘病に悩まされた時期もありましたが、梅雨の時期は例年と比較して雨が少なく、雨量も少ないものとなりました。8月から9月、ぶどうが熟していく時期は少し雨量が多かったものの順調にぶどうは育ち、メルローは収量こそ少し減りましたが着色がよく、糖度も例年より高い20度になり、酸度も約6.2g/ℓ程度と適度なものに仕上がりました。2022年のメルローは収穫するときに果皮の色の濃さで選果を行い、より色の濃いものを伊豆メルロー2022に使用しています。

 

2022年のワイン造りについて

赤ワインを仕込む際、ぶどうの粒を果皮や種も一緒に発酵させますが、ワインが濃くなるように一部の果汁を抜く方法を「セニエ」といいます。伊豆メルロー2022は、搾汁したときの予想量から数%の果汁をセニエし、よりワインの色が濃くなるようにしています。その後は10℃に冷却しながら3日間、発酵が起きないようにコールドマセラシオン(低温浸漬)を行い、ワイン用の酵母を使用して28℃で発酵させました。ワインが発酵している間は1日に2回、タンクの下からワインをポンプで抜き取り、タンクの上から戻して循環させる「ルモンタージュ」を行い、14日間のかもし発酵を行いました。発酵が終わったワインは搾汁してステンレスタンクでマロラクティック発酵(乳酸発酵)を行い、発酵後にフレンチオークの樽に移しました。9ヶ月樽熟成を行い、澱引きを兼ねて樽出し。ワインは粗めのろ過をかけて瓶詰めしています。

 

テイスティングノート

黒みがかったガーネットの色調のワインは、最初にチョコレートやバニラ、コーヒーなど、樽由来の香りが立ち上り、スワリングするとカシスやプラム、ブラックチェリーといった黒い果実の香りに加え、大地を思わせるメルローらしい香りが現れます。口に含むとなめらかな口当たりで、充実した果実を思わせるかすかな甘みと、きめ細やかなタンニンによるほどよい渋みが感じられます。若々しさを感じる味わいでありながらバランスが良く、今飲んでも十分楽しめますが、少し熟成させてから味わいたくなるような、将来を想像すると楽しみになるワインです。サシの入った和牛のシンプルなステーキやローストビーフ、ビーフシチューやビーフストロガノフなどの少し手の込んだ牛肉料理に加え、ラグーソースのパスタや豚の角煮など、しっかりとした肉料理と合わせたくなる味わいです。

 

伊豆メルロー 2022 概要

製品名 伊豆メルロー 2022

生産本数 1400本

ぶどう品種 メルロー100%

ぶどう産地 静岡県伊豆市 中伊豆志太農場産100%

アルコール分 12.5%