猛烈な暑さだった2023年の夏を超えて、今年もまた中伊豆志田農場のぶどうから新酒が生まれました。中伊豆ワイナリーの白ワインの定番品種でもある信濃リースリングを使った、フレッシュでフルーティな味わいの白ワインをぜひご賞味ください。
とれたてのおいしさを閉じ込めたような、フレッシュ感が楽しい白
「良いワインは良いぶどうから」という言葉がある通り、ワインはその年にとれたぶどうの良しあしによって品質が左右されるお酒です。ワインに使われるぶどうは、野菜やほかの果物と同様に農産物であることから、その年の天候の影響を受けやすいものです。そして、摘み立ての生のぶどうをそのまま使って造るワインももちろん、とれたぶどうの質によって味に変化が出るのです。
よく秋になると、その年のボージョレ・ヌーヴォーの出来についてメディアが報じることがありますが、伊豆ヌーヴォーもボージョレ・ヌーヴォーと同様に毎年出来が違います。伊豆ヌーヴォーは、中伊豆の自社畑で丹精込めて栽培したぶどうをていねいに手収穫し、そのぶどうで一番早く出来あがるワインです。
そのため、今年のワインの出来を占ううえで、とても大切なワインでもあるのです。今年は6月に雨がかなり多く降り、夏は記録的な猛暑が長く続いたことで、人間と同様にぶどうの木にも疲れが見られました。
それでも栽培スタッフのたゆまぬ努力が実を結び、質の良いぶどうが今年もとれ、そのぶどうを丸ごとやさしく搾って造ったのがこのワインです。
とれたてのぶどうのおいしさをギュッと閉じ込めたような、フレッシュでフルーティな香りと、すっきりとさわやかで軽やかな味わいは、魚介を使ったオードブルやパスタ、ピッツァなどと合わせて楽しみたいワインに仕上がっています。
今年の最初の集大成となる伊豆ヌーヴォーをぜひご賞味ください。
2023年のぶどうの生育について
2023年は暖冬だった影響で、冬場の気温が高かったため、ぶどうの芽が出たり、花が咲くのが平年より約10日ほど早く、順調にぶどうは育っていきました。しかし6月は非常に雨が多く、例年の2倍ほどの雨が降ったため、一部の品種ではべと病にかかるものもありました。
ぶどうをていねいに手入れすることで病気を防除しながら迎えた夏は、ご存じの通りの長い猛暑でした。しかもぶどうが熟す時期にはやや雨量が多く、あまりの暑さにぶどうの木にも疲れが見られたのが今年の大きな特徴です。
信濃リースリングはやや糖度が低めでしたが、暑さもあって酸度も低くなる可能性が出てきたため、例年よりも少しだけ早く、8月22日から収穫を行いました。
2023年のワイン造りについて
収穫した信濃リースリングは除梗や破砕をせず、そのままプレス機に投入して果汁を搾る「ホールバンチプレス」を行いました。
果汁をやさしく搾った翌日には澱引きを行い、14~16度のやや低い温度で天然酵母によりゆっくりと発酵させました。
ワインの比重がちょうどよい目安の数字である1.000になってから、タンクを冷やして発酵を止め、ろ過をかけて瓶詰めしました。
テイスティングノート
淡いレモンイエローのワインは青リンゴや白桃、レモンや日向夏などのかんきつ類の香りが華やかで、かすかにハーブのようなニュアンスが感じられます。
口に含むとかすかなガスのプチプチとした舌触りが感じられ、レモンやすだちのようなすっきりとさわやかな酸味と、ぶどうならではのほのかな甘みのバランスが良く、とれたての甘酸っぱいぶどうを思わせるような味わいがギュッと詰まっています。
フレッシュでフルーティ、という言葉がとても似合う軽やかな飲み心地の白ワインです。
良く冷やして、魚介を使ったオードブルとともに、しらすやツナを使ったオイル系のパスタ、マルゲリータやマリナーラなどのピッツァなどと合わせて楽しみたい味わいに仕上がっています。
アルコール分も軽めなので、休日のランチにもぴったりです。
伊豆ヌーヴォー白 2023 概要
製品名 伊豆ヌーヴォー白 2023
生産本数 1302本
ぶどう品種 信濃リースリング100%
ぶどう産地 静岡県伊豆市 中伊豆志太農場産100%
アルコール分 9%