ワイン用のぶどう品種には、人の手で交配されたものもあります。日本で交配されるワイン用ぶどうの多くに使われるヤマブドウには、ヨーロッパ系の品種にはない特徴があります。そのDNAを受け継ぐヤマ・ソービニオンを使用したワインが中伊豆ワイナリーにもあります。中伊豆ならではの風土とテクニックが育んだワインをぜひご賞味ください。
ヤマブドウの特徴を受け継ぐ「ヤマ・ソービニオン」の個性を味わう
ワイン用のぶどう品種にはどのようなものがあるかご存知でしょうか。
ワイン造りに使われているぶどう品種にはさまざまな品種があり、なかには巨峰などのように、食用のぶどうをワイン造りに使うこともありますが、メルローやカベルネ・ソーヴィニヨンなどの、ワイン専用に育てられている品種を使うのが一般的です。
ワイン用のぶどうには、古くからヨーロッパなどで育てられていたぶどう品種に加え、ドイツやフランスなどで品種を交配して生まれたぶどうもあります。
ヨーロッパと同様に、日本でも醸造用のぶどう品種がたくさん交配されています。その多くがベースとしているのがヤマブドウです。
日本の山や森に自生しているヤマブドウは、一般的なぶどうと比較すると実の直径が8ミリ程度と粒が小さく、一般的なワイン用ぶどうと比較すると、病気に強く育てやすいことから、その特徴を活かしたぶどう品種の交配が古くから行われてきました。
そうして生まれたぶどうのひとつが、このワインに使われている「ヤマ・ソービニオン」です。
ヤマ・ソービニオンは、父親にヤマブドウ、母親にカベルネ・ソーヴィニヨンを交配させて生まれ、病気に強いのはもちろん、豊産で果汁の色が濃く、タンニンや酸が豊かというヤマブドウの特徴を受け継いだぶどう品種です。特有のスパイシーな香りに加わるのが、カベルネ・ソーヴィニヨンの持つ上品な香りです。
中伊豆志太農場でも、メルローやカベルネ・ソーヴィニヨンと合わせて、ヤマ・ソービニオンを栽培しています。温暖な伊豆の気候の中で育つヤマ・ソービニオンは、しっかりと糖度が上がりながらも、他の品種と比較すると酸度が高めになるため、ミディアムボディながらも飲みごたえのあるものが出来上がります。
「伊豆ヤマ・ソービニオン 2021」は、ヤマブドウのDNAを感じさせる、野趣あふれるスパイシーな香りを、パンチョンサイズのアメリカンオーク樽で熟成させたことでエレガントなスタイルに。また、母親であるカベルネ・ソーヴィニヨンのもつ、すみれやインクのアロマを引き出し、優雅なワインに仕上げました。
日本ならではのエレガンスを持つワインは、ローストビーフや牛タンシチューなど、ちょっと洋風のごちそうを食べたいときにぴったりです。ぜひ週末のごちそうと合わせてどうぞ。
2021年のぶどうの生育について
春から比較的雨が多かった2021年は、雨の降り方も短時間で雨量が多くなる傾向にありました。特に、7月2日〜3日には、隣接する熱海市で土石流が起きるほどの豪雨が降り、中伊豆志太農場も大量の雨が降りました。そのため、畑の土は多量の雨を含む状態が続き、ぶどうの根に対する影響が心配された年でした。
その後の天気も曇天が多く、ぶどうの生育状況は平年並みでした。ヤマ・ソービニオンに関しては、例年通り糖度が上がり、酸度もあまり落ちなかったため、しっかりとした酸が残りました。
2021年のワイン造りについて
収穫したぶどうは除梗のみを行い、粒のままタンクへ投入。マセラシオン・カルボニック法で発酵を開始しました。発酵の途中でプレスを行い、そのままタンクで発酵を継続。発酵終了後は樽熟成を行いました。樽熟成にはアメリカンオークでできたパンチョンサイズ(450リットル)のものを使用し、12か月間熟成。その後樽出ししてろ過を行い、瓶詰めしています。
テイスティングノート
やや薄い色調の落ち着いたルビー色、インクやすみれの花のようなアロマに、樽由来のバニラやカカオの香りが感じられます。チェリーやラズベリーなどの赤い果実の香りに加え、黒コショウやクローブのニュアンス、バラの花のようなフローラルなブーケがほんのり残ります。
やわらかなタンニンとミディアムでやさしい飲み心地で、料理と合わせやすい赤ワインです。特に、ローストビーフやデミグラスソースで食べるハンバーグ、筑前煮などの煮物、サムギョプサルや牛タンシチューなどの肉料理に合わせるのがおすすめです。
伊豆ヤマ・ソービニオン 2021 概要
製品名:伊豆ヤマ・ソービニオン2021
生産本数:1778本
ぶどう品種:ヤマ・ソービニオン100%
ぶどう産地:静岡県伊豆市 中伊豆志太農場産100%
アルコール分:12.5%
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