春から夏にかけての、アウトドアで食事やお酒を楽しみたくなる季節には、より気軽に楽しめるワインを持って外に出かけたくなります。そんな時期におすすめしたいのが辛口のロゼワインです。すっきりとした飲み心地でありながら、ほんのりとしたタンニンや旨みを併せ持ち、どんな料理とも気軽に合わせられるのが良い点です。「伊豆ロゼ 2025」はそんなシチュエーションにぴったりのワインです。


ワイナリーの「仕事」を垣間見られる、知恵の詰まったワイン

中伊豆ワイナリーではさまざまなワインを造っていますが、「伊豆ロゼ 2025」は、赤ワイン造りの時に出る「セニエ果汁」や「ハイプレス果汁」を活用したワインです。

セニエ果汁とは、赤ワインに使う黒ぶどうの仕込み時に自然に出る、発酵前にタンクから抜き取ったまだほとんど色が着いていない果汁のことをいいます。

これは、赤ワインに使う果汁における果皮の割合を高めることで、より濃厚な赤ワインを造る際に用いる伝統的な方法です。

ハイプレス果汁は、白ワインの仕込み時に出る果汁になります。ぶどうをプレス機に入れると、まず最初にぶどう自体の重みで果実が潰れて流れ出る「フリーラン果汁」が出ます。

そして、プレス機で空気圧でバルーンを膨らませて搾ることで出る「プレス果汁」を含めて白ワインの原料果汁として使用します。そこからさらに高い圧力(ハイプレッシャー)をかけて搾った果汁のことをいいます。

フリーラン果汁やプレス果汁と比較すると、果皮や種子の成分がより多く抽出されるため、タンニンや色素、渋み成分などが多い果汁になります。

そして、ぶどうは品種ごとに収穫時期が違うため、収穫期のワイナリーはどのぶどうをいつ仕込むかを、パズルのように考えながら順番に仕込んでいくのですが、その流れの中で段仕込みを取り入れてこのワインは造られています。

まず最初にメルローの赤ワインを造るために出たセニエ果汁を別のタンクに移して酵母を加え、発酵を行います。

発酵しているところに今度はシラーのセニエ果汁を加えて発酵を続けていき、最後に白ワイン用ぶどうのプティ・マンサンのハイプレス果汁を加え、発酵をさらに続ける、という2回の段仕込みを行っているのです。

セニエ果汁やハイプレス果汁が出る度につぎ足していく形を取ることで、効率よくワイン造りができ、おいしいロゼワインもできあがるこの方法は、忙しい収穫期の知恵から生まれたものでもあります。

生産量は219本とごくわずかですが、春から夏にかけての軽やかな気分にもぴったりくるワインに仕上がっています。ぜひご賞味ください。


2025年のぶどうの生育について

2025年の春は暖かく、ぶどうの生育は順調に進みました。

5月は曇天が多く、また、雨量が多かったため、萌芽や開花は例年より4~5日遅く始まりました。

6月の梅雨入りは平年より3日ほど早く、梅雨入り前後は雨が降ったものの空梅雨で、雨がほとんど降らなかったため、ベト病などの被害もありませんでした。

梅雨明けは7月4日で、平年より15日も早かった年でもあります。

また、7月は記録的な晴天が続き、日照時間は平年の1.6倍にものぼり、極めて順調に生育が進みました。

9月中旬まで晴天が続き、日照時間が多い傾向を維持していたため、晩腐病などの病害が見られず、ぶどうの玉張りは弱く、粒が小さく色も濃くなりました。

一方で夜間の冷え込みはすべての期間で平年より厳しく、昼夜の気温差が極端に大きかったこともあり、ぶどうの色づきが良くなり、酸度が低下するのを抑制することにつながりました。

9月中旬から10月初旬までは、雨天や曇天の日が多くなり、収穫が遅い晩熟の品種には晩腐病が見られました。


2025年のワイン造りについて

メルローとシラーはセニエ果汁を使用し、プティ・マンサンはハイプレス果汁を使用しました。

段仕込みを2回行い、低温でゆっくりと発酵。

ボリューム感や長い余韻を生み、高い発酵アロマを付与する酵母を使用しました。

発酵終了後は澱引きを行い、粗濾過と軽めの仕上げ濾過を行ってから瓶詰めしています。


伊豆ロゼ 2025 テイスティングノート

輝くサーモンピンクのワインは、柑橘類やチェリー、アプリコットやザクロなどのフルーツの香りに、かすかにハーブのような清涼感のある香りも感じられる。

軽やかな口当たりでやさしい味わいと、ほどよい旨みや酸味が感じられ、長い余韻が楽しめる。

やや還元的な香りがあるため、飲む際はグラスをスワリングしてから飲むのがおすすめ。

生ハムや魚介のマリネ、野菜のエチュベなどの前菜や、サーモンや赤貝のお寿司、アクアパッツァやペスカトーレなどの魚介類を使った料理とよく合う。

また、鶏もも肉の柚子胡椒グリルや豚肉の生姜焼き、豚肉と野菜のせいろ蒸しなどの軽めの肉料理との相性も良い。


伊豆ロゼ 2025 概要

製品名:伊豆ロゼ 2025
製造本数:219本
ぶどう品種:メルロー65%、プティ・マンサン18%、シラー17%  
ぶどう産地:静岡県伊豆市 中伊豆志太農場産100%
アルコール分:12.5%