稀に見る早い梅雨明けと長く厳しい暑さを乗り越え、今年も中伊豆ワイナリーのヌーヴォーができあがりました。自社農園で丹精込めて育まれたぶどうが、フレッシュでチャーミングなワインに。中伊豆の風土を写し取った、2025年のワインの出来を占う心躍る味わいを、今年もぜひご賞味ください。
厳しいながらも長く続いた晴天が育んだ、ジューシーなワイン
気象観測史上稀に見る早さでの梅雨明けと、長く続いた晴天と高い気温の中、ここ中伊豆の地で育まれたぶどうが、早くもヌーヴォーとしてお目見えです。
ふくよかな甘みと切れの良い酸がやさしい飲み心地を感じさせる白と、太陽の恵みを受けてギュッと凝縮したジューシーさの感じられる赤は、ともに親しみやすい味わいで、日常の料理とも合わせやすい仕上がりになりました。
中伊豆ワイナリーでいち早くリリースされるヌーヴォーは、厳しい天候を乗り越えたぶどうの出来を占うワインでもあります。
ヌーヴォーとともに食卓を囲めば、会話が弾むこと間違いなしです。ぜひ2025年を振り返りながら、できたてのワインをご賞味ください。
2025年のぶどうの生育について
2025年の中伊豆志太農場の天候は、極端な気候現象の影響を受けました。
萌芽や開花は昨年よりも4~5日遅く始まり、ぶどうの樹は順調に成長していきました。
5月から6月前半は梅雨前線の影響で雨が降りましたが、局所的な集中豪雨などはありませんでした。
そしてその後、6月中旬までは晴天が続き、7月4日、近年稀に見る早い時期に梅雨明けとなりました。
7月から9月は、ダブル高気圧の影響から晴天が続き、夜もしっかりと気温が下がったため、ぶどうの玉張りは弱くなり、粒が小さくなりました。
そのため、酸の下がり方は比較的小さくおさえられました。
しかし、白品種である信濃リースリングは糖度が上がらず、収穫時期を遅らせましたが糖度に変化はありませんでした。
一方、赤品種のヤマ・ソービニオンは病気になった実がなく、非常に糖度が高い、良く熟したぶどうの収穫につながりました。
2025年のワイン造りについて
<伊豆ヌーヴォー白 2025>
収穫したぶどうは除梗・破砕を行わず、房ごとプレス機に入れて搾る「ホールバンチプレス」で搾汁、翌日に果汁を澱引きしました。
その後、温度を14度に設定し、天然酵母でゆっくりと時間をかけて発酵させました。
補糖は行っており、途中から17.5度に温度を上げて発酵を促しましたが、発酵が緩慢であったため、2024年のヌーヴォーと比較するとやや甘みが残りました。
濾過を行って酵母を取り除くことで発酵を停止。その後数回濾過を行って清澄し、瓶詰めしました。
牛肉入りのポテトコロッケやサーモンフライ、里芋を使ったグラタン、根菜と鶏肉を使ったポトフなどとよく合います。
<伊豆ヌーヴォー赤 2025>
収穫したぶどうを除梗してステンレスタンクへ投入、発酵にはワイン用酵母を使用しました。
2025年は発酵の中盤にプレス(搾汁)して、そのまま発酵を継続。補糖はしています。
ほどよい甘さになったところで濾過を行い、発酵を停止。仕上げの濾過を行って瓶詰めしました。
五目あんかけ焼きそばや肉じゃが、ローストビーフのサラダ、焼きリンゴを添えた豚肉のローストなどとよく合います。
テイスティングノート
<伊豆ヌーヴォー白 2025>
ごく淡いレモンイエローのワインはやや粘性のある外観で、杏や黄色いリンゴ、黄桃など、黄色い果物の香りにグレープフルーツやレモンバームのようなハーブのニュアンスが感じられます。
軽やかな酸味とふっくらとした甘みは、まるでリンゴをかじったようなフレッシュさ。
ふくよかでジューシーな甘みをキリリと酸味が引き締め、やわらかくすっきりとした飲み心地が味わえます。
<伊豆ヌーヴォー赤 2025>
ピンクがかった深いルビー色で粘性があり、バターやヨーグルトのような乳製品のような香りと、ブラックベリーやマルベリー、フレッシュな黒い果実の風味が感じられます。
まろやかな酸味とチャーミングな甘み、はつらつとした果実味が心地よく、ほのかな余韻が感じられます。
伊豆ヌーヴォー 2025 概要
<伊豆ヌーヴォー白 2025>
製品名 伊豆ヌーヴォー白 2025
生産本数 818本
ぶどう品種 信濃リースリング100%
ぶどう産地 静岡県伊豆市 中伊豆志太農場産100%
アルコール分 10%
<伊豆ヌーヴォー赤 2025>
製品名 伊豆ヌーヴォー赤 2025
生産本数 600本
ぶどう品種 ヤマ・ソービニオン100%
ぶどう産地 静岡県伊豆市 中伊豆志太農場産100%
アルコール分 11%